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僕と世界の方程式

自閉症スペクトラムと診断されたネイサン。
他人とのコミュニケーションは苦手だが、数学のセンスはずば抜けている。
幼いころに父を交通事故で亡くし、母とふたりで暮しているが、ふたりの心が通い合っているとは言い難い。
成長し数学の勉強を続けたネイサンは、数学オリンピックに出場することになる。
まずは強豪国の中国と共に、台湾で合宿をおこなうことに。

自閉症とひとくちに言っても症状は多岐にわたるし度合も違う。
この映画を見て認識を改めねばなぁ、と思ったのが、経験により感情の幅が広がる可能性がある、ということ。
脳の障害なので、こういう部分は変化しないのかな、と思っていたよ。

この映画の主人公は他人に無関心。しゃべることや生活のリズムがかわることが苦手。
理解者であり彼を笑わせる名人であった父は亡くなってしまう。
彼には目の前で父を亡くしたという悲しみを、うまく言葉で表現できない。
何故大好きな父が死んでしまったのか、という疑問が大きすぎて悲しみを吐き出すことができないまま成長していく。
そして父のように自分を笑わせてくれない、数学が苦手な母をうとましく思ってしまうのだ。

そんなネイサンが苦手とする、慣れないことだらけの日々・・・
海外への旅行、まったく異なる文化、新しい仲間たちとの共同生活、異国の友人、そして恋。
委縮気味なネイサンが、徐々に新しい風を取り込んで変わっていく姿が丁寧に描かれている。

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ドラマや映画の主人公になる自閉症というと、特化した才能の持ち主の場合が多い。
だからこの映画も天才的な数学の才能の持ち主の話かと思って見始めたのだけど、そういうわけではない。
もちろん普通のレベルははるかに超えた能力はあるけれど、健常者でもっと優秀な人がいるわけで。
合宿に参加した仲間にはもうひとり自閉症の少年がいるのだが、彼は選抜メンバーには選ばれなかった。
「親にはおまえは特別だと言われてきた。でもその特別が特別じゃなかったら?」と少年は自らを切り刻みながらつぶやくのだ。

本当に、もっと誰もが生きやすい世の中になればいいのに。
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